朝日日本歴史人物事典 「野津鎮雄」の解説
野津鎮雄
生年:天保6.9.5(1835.10.26)
明治前期の陸軍軍人。薩摩(鹿児島)藩士野津鎮圭の子。陸軍元帥野津道貫の兄。薩英・戊辰両戦争を経て,明治4(1871)年薩長土3藩の兵士により,明治政府の最初の直属軍隊御親兵が編成されると,薩藩の大隊長を務める。5年陸軍少将,7年佐賀の乱に際して,大阪鎮台歩兵2個大隊などを率い,大久保利通指揮の下,政府軍による佐賀城奪回に貢献した。乱後熊本鎮台司令長官,東京鎮台司令長官を歴任。10年西南戦争では,第1旅団司令長官を務め,博多から熊本に進撃するが,西郷軍の抵抗で,田原坂の戦に17日間を費やし,熊本城入城では,黒田清隆率いる八代からの背面攻撃軍に先を越された。11年中将に進む。<参考文献>黒竜会編『西南記伝』中
(山村義照)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報