日本大百科全書(ニッポニカ) 「金唐革紙」の意味・わかりやすい解説 金唐革紙きんからかわかみ コウゾ(楮)を原料とした厚手の和紙に金漆(きんうるし)で各種の文様をおいた擬革紙(ぎかくし)。金唐革、金唐紙ともいう。本来、金唐革は薄いなめし革に金漆をかけて、種々の模様を押し出した革細工物をいうが、江戸時代後期に、これに似せてつくられた。和紙を張り重ねて柿渋(かきしぶ)で補強し、版木で型押しをしてから金漆をかけ、おもに文庫張りや袋物に用いられた。明治以後には書物の装丁などにも使われたが、現在ではそれもほとんどみられなくなった。[町田誠之] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例