金漆(読み)キンシツ

デジタル大辞泉 「金漆」の意味・読み・例文・類語

きん‐しつ【金漆】

コシアブラ樹脂液から精製した塗料。奈良・平安時代うるしと同じように用いた。一説に、上質の透漆すきうるしのこととも。きんうるし。きんのうるし。こんしつ。

ごん‐ぜつ【漆】

コシアブラの樹脂液。塗料にする。

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精選版 日本国語大辞典 「金漆」の意味・読み・例文・類語

きん‐しつ【金漆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 金と漆(うるし)。同一視できないことのたとえにいう。
    1. [初出の実例]「緇素杳然別、金漆諒難同」(出典懐風藻(751)初春在竹渓山寺於長王宅宴追致辞〈釈道慈〉)
  3. 植物こしあぶら(漉油)」の異名。また、漉油の樹脂液から精製した一種の塗料。一説に上質の透漆(すきうるし)ともいう。きんうるし。金のうるし。こんしつ。
    1. [初出の実例]「金漆一缶〈略〉檳榔扇十枝」(出典:続日本紀‐宝亀八年(777)五月癸酉)

こん‐しつ【金漆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物「こしあぶら(漉油)」の異名。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
  3. こしあぶら(漉油)

ごん‐ぜつ【金漆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物「こしあぶら(漉油)」の異名。
  3. こしあぶら(漉油)

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世界大百科事典(旧版)内の金漆の言及

【コシアブラ】より

…山地に生えるウコギ科の落葉高木(イラスト)。昔この木から樹脂をとって金漆(ごんぜつ)というウルシに似た塗料に用いたところから,ゴンゼツノキの名がある。幹は高さ10m以上になり,樹皮は褐色を帯びた灰白色で楕円形の皮目がある。…

※「金漆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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