金属粉末製造法(読み)きんぞくふんまつせいぞうほう(その他表記)production of metallic powder

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金属粉末製造法」の意味・わかりやすい解説

金属粉末製造法
きんぞくふんまつせいぞうほう
production of metallic powder

近来粉末冶金技術の発達により金属粉末の需要は急激に増大した。その製法は金属の種類,要求される粒度や性状に応じ多様であるが,機械的方法と化学的方法に大別される。機械的方法にはボールミルハンマミルなどによる単純機械的粉砕法と,溶融金属を水中に滴下して熱ひずみで爆砕させるショッティング法,同じく溶湯ノズルから噴出霧化する噴霧法などがある。経費は安いが粒度はややあらい。化学的方法には微粉化した酸化物などの化合物をなるべく低温で水素などの還元雰囲気で還元する還元法,分解しやすい化合物の分解法などがある。最も需要の多い鉄,ニッケルでは,この方法で良質のものが得られる (→カーボニル鉄 ) 。一般に粉末は体積に比し表面積比が大で雰囲気ガスにより変質しやすく,また製造過程中容器からの不純物混入の可能性も大きいので,雰囲気や容器に十分の注意が必要である。

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