金津保(読み)かなづほ

日本歴史地名大系 「金津保」の解説

金津保
かなづほ

現在の新津市中央部・南部、中蒲原なかかんばら小須戸こすど町、南蒲原郡田上たがみ町北部にあった保。建武三年(一三三六)一一月一八日の羽黒義成軍忠状写(「奥山庄史料」所収中条文書)に、九月二日に「引籠于金津保新津城」とあるのが初見。次いで同年一二月三日の色部高長軍忠状案(色部氏文書)には「八月廿六日、菅名庄佐々河山并青橋条・黒金津保於所々合戦致軍忠畢」とある。「荘園志料」は「黒金津保(中略)今郡中沼垂駅、金津、河渡、蒲原諸村を、金津荘と云ふ」とし、前述の羽黒義成軍忠状を徴証としてあげるが、同状には二月二二日に、「馳下加地庄沼垂湊」ともあって沼垂ぬつたり(現新潟市)が「黒金津保」のうちかどうか判然とせず、現在は「黒金津保」は「黒水・金津保」と読取ることが妥当とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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