百科事典マイペディア 「沼垂」の意味・わかりやすい解説
沼垂【ぬったり】
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越後国(新潟県)の港町。信濃川河口右岸に立地。647年(大化3)に設置された渟足柵(ぬたりのさく)の所在地と考えられている。《延喜式》神名帳にみえる沼垂郡美久理神社は沼垂白山明神にあてられる(《越後野志》説)。南北朝の争乱に,阿賀野川北部の北朝軍と中越後の新田党との争奪の場となり,1335年(建武2)色部高長がこの地に新田党を破った。
1581年(天正9)新発田重家は上杉景勝に背きこの地を固めた。近世になると新発田藩,沢海藩,村上藩の年貢米集積港となり諸国廻船が訪れ繁栄したが,1633年(寛永10)阿賀野川が信濃川に合流したため居所を失い,3度の移転を経て84年(貞享1)長嶺新田の地に移る。このため港としての機能は低下,新潟湊に繁栄を奪われ,以後,新発田藩年貢米荷扱いに依存する小港町として維新を迎えた。1814年(文化11)710軒,うち本家122軒。1914年新潟市に合併。
執筆者:小村 弌
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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