鈴の段(読み)すずのだん

精選版 日本国語大辞典 「鈴の段」の意味・読み・例文・類語

すず【鈴】 の 段(だん)

  1. 能楽「翁」で狂言方の勤める三番叟(さんばそう)後半黒式尉(こくしきのじょう)の面をかけ鈴を振りながら舞う軽妙な舞。「種蒔き」「面がえり」などの型があり、末段に「ゆりあわせ」の型があって終わる。
    1. [初出の実例]「只今三番申楽の鈴の段を、まはふずると仰候程に是迄出で候よ」(出典:虎明本・枇杷橘の風流(室町末‐江戸初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の鈴の段の言及

【翁】より

…これを〈翁帰り〉と称する。 後半が大鼓が入っての勇壮な三番叟の舞で,はじめ直面のままみずから場清めとして〈揉ノ段(もみのだん)〉を舞ってから面をつけ,鈴を受け取って〈鈴ノ段〉を舞う。三番叟の舞はテンポの速い足拍子を強く踏む活発なもので,烏飛び,種卸(たねおろし),種蒔,面返(おもがえ)りなどの動作がある。…

【御祭猿楽】より

…式日12月17日)の猿楽。現在の形は1946年に復活再興したもので,その能楽関係行事は,17日に影向(ようごう)の松の下で〈開口〉(ワキ方高安流の担当),〈弓矢ノ立合〉(シテ方金春流の担当),〈三笠風流〉(狂言方大蔵流の担当)があり,御旅所で,田楽・細男(さいのう)に続いて,《翁》(神楽式と呼ばれ,金春流家元の担当)と《三番叟(さんばそう)》(〈鈴ノ段〉のみ。大蔵流家元の担当)とが演じられ,翌18日の御旅所での後日能には金春流の能3番と大蔵流の狂言2番とが演じられる。…

※「鈴の段」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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