最新 地学事典 「鉄電気石」の解説
てつでんきせき
鉄電気石
schorl
化学組成Na Fe3Al6(Si6O18)(BO3)3(OH)3OHの鉱物。三方晶系,空間群R3m,格子定数a1.599nm, c0.7195,単位格子中3分子含む。結晶の端が三角錐状の柱状。ガラス光沢。劈開なし。硬度7.5。比重3.13。黒〜暗褐色,条痕灰白〜青白色。一軸性負,屈折率ε1.633〜1.640, ω1.660〜1.672。電気石上族,X-siteアルカリ族,アルカリ亜族1に属する。電気石中,最もありふれた種で,主に花崗岩ペグマタイト,変成岩,熱水変質岩中に産し,リチア電気石(elbaite)や苦土電気石(dravite)成分と固溶していることも多い。また,鉄電気石の表面が,Naが欠如しFe3→(Fe2Al)となったフォイト電気石(foitite)の場合もある。名称は,ドイツ語のSchörlから由来するものの,理由は明確でなく,“無価値な物”という意味ではないかと推測されている。焦電気や圧電気の現象が比較的容易に見られることから電気石の和名。鉄を主成分とするので鉄電気石とよばれる。なお,電気石全般の学名はトルマリン(tourmaline)というが,特に宝石になるようなものを指すことがある。
執筆者:松原 聰
参照項目:電気石上族
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

