銑・釻・柄(読み)つく

精選版 日本国語大辞典 「銑・釻・柄」の意味・読み・例文・類語

つく【銑・釻・柄】

〘名〙
① 弓の弦をかける部分である弭(はず)異名であるが、普通は金属による弭金物、角製の角弭類を総称する。近世の俗説に弓の握りの部分に加えた折れ釘状の金具とも。
※保元(1220頃か)上「五人張の弓、長さ八尺五寸にて、つく打ったるに、卅六さしたる黒羽の矢負」
② 鉄(かな)棒・十手などにつける折れ釘。
浄瑠璃・孕常盤(1710頃)一「銀のつく打ったる鉄の棒ひっさげ」
③ 荷棒の両端にある縄どめ。朸(おうご)・天秤棒(てんびんぼう)などの両端の緒紐をかけるところ。
※浄瑠璃・御所桜堀川夜討(1737)四「朸(あふご)のつくつく並んだる、主も家来も一くるめ、撲(ぶち)悩されてせんかたなく」
④ (柄) 櫂(かい)・櫓(ろ)・手棹などの手をかける部分の呼称。T字形の櫂や手棹では上の短い横木をいい、櫓では櫓腕に突き出させたにぎりのことで、早緒の先端をかける役目も兼ね、櫓づくともいう。〔和漢船用集(1766)〕
⑤ (③から転じて。一説に「虫がつく」の略からとも) 芸娼妓の情夫。かくし男。
※浄瑠璃・雕刻左小刀(1791)三「つくの名も医者の様な」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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