銚子縮(読み)チョウシチヂミ

デジタル大辞泉 「銚子縮」の意味・読み・例文・類語

ちょうし‐ちぢみ〔テウシ‐〕【×銚子縮】

茨城県神栖かみす市付近で産出する木綿縮銚子市から諸方に出荷したのでこの名がある。

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精選版 日本国語大辞典 「銚子縮」の意味・読み・例文・類語

ちょうし‐ちぢみテウシ‥【銚子縮】

  1. 〘 名詞 〙 銚子市で産出する木綿のちぢみ。経(たていと)二子糸(ふたこいと)を使い、丈夫だといわれる。
    1. [初出の実例]「流行糸・銚子縮を着てお酌」(出典:雑俳・歌羅衣(1834‐44)五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「銚子縮」の意味・わかりやすい解説

銚子縮
ちょうしちぢみ

綿縮(めんちぢみ)の一つ。もと天明(てんめい)年間(1781~89)に織り出された茨城県神栖(かみす)市波崎(はさき)の波崎縞(はざきしま)で、一漁婦が考案したが、銚子の海上商人の手によって全国に広く販売されたために、幕末には銚子縮と名づけられるようになった。綿縮は、綿糸強撚糸(ねんし)をかけたものを製織したもので、日常着として汗をはじくのに適当な生地(きじ)として使用された。明治に入ると、今度は銚子において近代紡績糸を使用して盛んになり、一時は関東地方普及をみるが、他の綿織物に押されて衰退し、第二次世界大戦後にまた復活をみることとなった。

[角山幸洋]

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「銚子縮」の解説

銚子ちぢみ[染織]
ちょうしちぢみ

関東地方、千葉県地域ブランド
銚子市で製作されている。江戸時代漁師の婦人たちが漁の安泰豊漁を祈ってつくったのが始まりという。綿縮みの織物。明治時代末期に一度途絶えたが、戦後に再興された。千葉県伝統的工芸品

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世界大百科事典(旧版)内の銚子縮の言及

【縮】より

…麻の小千谷縮はもと越後縮ともいい,1670年(寛文10)ころ,明石藩の浪士によって織り出された。綿縮は明和(1764‐72)から天明(1781‐89)のころ,千葉の漁師たちの間で川越縞を模して波崎縞が織られていたが,強撚糸使いの縮が創製され,のち銚子縮として広まったのが始まり。寛政年間(1789‐1801)には阿波しじらがつくられた。…

※「銚子縮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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