銜める(読み)ククメル

デジタル大辞泉 「銜める」の意味・読み・例文・類語

くく・める【×銜める/含める】

[動マ下一][文]くく・む[マ下二]
事情を言い聞かせて納得させる。いいふくめる。
博士は噛んで―・めるように言うのだったが」〈秋声縮図
口にふくませる。
「胸をあけて、乳など―・め給ふ」〈横笛

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「銜める」の意味・読み・例文・類語

くく・める【銜・含】

  1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]くく・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. 口の中に入れてやる。口に含ませる。
    1. [初出の実例]「御薬、父の中納言の懐にて、くくめ奉り」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
    2. 「云訳の仕様をば、くくめる様にの給へども」(出典:浄瑠璃・八百屋お七(1731頃か)下)
  3. 事情をのみこませる。納得させる。→いいくくむ
  4. 世阿彌が能について用いた語。ゆるめる。ゆるやかに行なう。
    1. [初出の実例]「序をば序と舞、せめをばせめと、せめつくくめつすること、定れる也」(出典:申楽談儀(1430)定まれる事)

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