精選版 日本国語大辞典 「鋏み」の意味・読み・例文・類語
はさみ【鋏・剪刀・螯・鉗】
- 〘 名詞 〙 ( 「はさみ(挟)」と同語源 )
- ① 二枚の刃ではさむようにして物を切る道具。〔十巻本和名抄(934頃)〕
- [初出の実例]「はさみとりて、櫛の箱の蓋、さし出でたれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)
- ② ( 螯・鉗 ) ( 形が①に似ているところから ) 節足動物のうち、カニ、サソリなどの脚の、物をはさむ大きなつめの部分。この脚を鉗脚(かんきゃく)という。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「此蟹〈略〉かたかたのはさみにて、山伏の頬さきを、しかと挟みける」(出典:咄本・八行整版本昨日は今日の物語(1614‐34頃))
- ③ 切符などに穴をあけたり、一部を切り取ったりする道具。パンチ。
- [初出の実例]「改札口が開かれた。〈略〉鋏の音が繁く聞え出す」(出典:網走まで(1910)〈志賀直哉〉)
- ④ 紋所の名。①を図案化したもの。まるにちがいはさみ、まるにひとつはさみなどがある。
- ⑤ じゃんけんで、人さし指と中指とを立て、他は握って出すこと。ちょき。
- [初出の実例]「ちいりこ(東京のジャンケン)できめ、ちいりこさいよ。合こでさいよ。と手を振り鋏や石や風呂敷(東京の児童のいふ紙)の形を出して決める」(出典:明治大正見聞史(1926)〈生方敏郎〉憲法発布と日清戦争)