錏引き(読み)しころびき

精選版 日本国語大辞典 「錏引き」の意味・読み・例文・類語

しころ‐びき【錏引・錣引】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 屋島合戦で、悪七兵衛景清と三保谷(みおのや)四郎国俊が格闘し、景清がつかんだ三保谷の兜の錏が引きちぎれたという伝説歌舞伎演出で、さまざまに趣向を変えて演じられ、江戸の春の曾我狂言などではとくに多く用いられた。
  3. ( 比喩的に ) 去ろうとするものを無理に引きもどそうとすることにいう。
    1. [初出の実例]「とまんなと悪八兵衛錣引」(出典:雑俳・柳多留‐一二四(1833))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android