錦服郷(読み)にしごりごう

日本歴史地名大系 「錦服郷」の解説

錦服郷
にしごりごう

和名抄」高山寺本に「錦服」と記し、「迩之古利」と訓じ、流布本では「尓之古里」と訓じている。いずれも「にしこり」と読むことでは一致している。

「三代実録」の貞観六年(八六四)二月の項に、信濃の人高橋朝臣文室麻呂の記事を掲げて、本姓は膳臣、またの姓錦部、信濃国人なりとし、「五代祖膳臣金持娶信濃国人錦部氏女男倭、於是倭不本族、以母姓己姓、便作信濃国人」と記すが、この錦部氏が錦織郷の中心となった氏族であろうと考えられる。また、同書の貞観八年二月の記事に、信濃国では、伊奈郡寂光じやつこう寺、更級郡安養あんよう寺、埴科郡屋代おくだい寺、佐久郡妙楽みようらく寺などと並んで、筑摩つかま錦織にしごり寺が、定額寺に列せられたことがみえるが、この錦織寺も当然この郷にあって、錦部氏の氏寺であったと推考される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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