…イギリスのルイス・キャロルが書いた《不思議の国のアリスAlice’s Adventures in Wonderland》(1865)と《鏡の国のアリスThrough the Looking‐Glass》(1871)の2編の童話。前者では,白ウサギのあとを追ってウサギ穴に落ちた少女アリスが,地下の国で,身長の伸び縮みや,涙の池や,気違いティー・パーティなど,多くの冒険を味わい,気違い帽子屋やチェシャー猫など,かずかずの人物・動物に会う。…
…そして映画《オルフェ》でコクトーは,鏡の向こうの世界を危険な魅力に満ちた死の国として描き,忘れがたい映像美をつくってくれた。L.キャロルの《鏡の国のアリス》も,鏡の人間にとって無限の問いかけを促す,苦い寓話として読まれるべきであるかもしれない。【川崎 寿彦】
[中国]
中国における青銅鏡の出土例は戦国時代以前にまでさかのぼるのであるが,〈鏡〉の字が文献資料に出現するのは戦国時代になってである。…
…1862年,学寮長リデル博士の3人娘をピクニックに連れ出し,その途中,次女アリスを主人公にした物語を即興で語って聞かせたが,これが《不思議の国のアリス》(1865)の原型となった。姉妹編《鏡の国のアリス》(1871)が出版されたころは,すでにリデル家との関係が悪化し,アリスともほとんど会うことがなかった。もう一つの代表作《スナーク狩り》(1876)は新しい少女友だちにささげられている。…
※「鏡の国のアリス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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