長久寺跡(読み)ちようきゆうじあと

日本歴史地名大系 「長久寺跡」の解説

長久寺跡
ちようきゆうじあと

[現在地名]日南市板敷

板敷いたじきの南東部、江戸時代は飫肥おび城下いま町のうちの広木田ひろきだに接してあった天台宗寺院で、現在は同所の同宗常楽じようらく院が寺基を受継いでいる。真景山と号し、観音菩薩・不動明王・堅牢地神を祀っていた。初代飫肥藩主伊東祐兵が本庄ほんじよう(現国富町)長久寺と同名の寺院を当地に創建し、本庄長久寺住持金剛院の弟子泉学院を招いて藩領内である飫肥地方・清武きよたけ地方の座頭総家督としたことに始まる(「家督年譜」長久寺文書)。泉学院が総家督に任じられたのは次のことに由来するといわれる。天正一五年(一五八七)豊臣秀吉の九州仕置の折、羽柴秀長の先導役を勤めていた祐兵のもとに父義祐時代の旧臣たちが多く集まり、兵粮不足に悩まされていた(日向記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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