長奥麻呂(読み)ナガノオキマロ

デジタル大辞泉 「長奥麻呂」の意味・読み・例文・類語

なが‐の‐おきまろ【長奥麻呂】

7世紀ころの万葉歌人。名は意吉麻呂・興麻呂とも書く。万葉集に短歌14首を残す。生没年未詳。

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朝日日本歴史人物事典 「長奥麻呂」の解説

長奥麻呂

生年:生没年不詳
大和時代の歌人。持統文武(687~707)朝ごろの下級官人か。『万葉集』によれば,大宝1(701)年の持統太上天皇,文武天皇の紀伊行幸,および翌年の持統太上天皇の三河行幸に供奉している。短歌14首が残るが,行幸従駕関係の歌と,数種の物を詠む歌に大別される。後者は,宴席で題として与えられた数種の物を,即座に1首に詠み込むという遊戯的なもので,当時広く行われた。奥麻呂の8首(巻16)は,「一二の目のみにはあらず五六三四さへありけり双六の頭」(双六の頭を詠む歌)のごとく,当意即妙の才を発揮しており,この類の歌を得意とする歌人であったことを窺わせる。<参考文献>伊藤博『万葉集の歌人と作品』上

(芳賀紀雄)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「長奥麻呂」の解説

長奥麻呂 ながの-おきまろ

?-? 飛鳥(あすか)時代の歌人。
「万葉集」に大宝(たいほう)2年(702)の持統太上(だいじょう)天皇の三河行幸などにしたがったときの歌や宴席における即興の滑稽(こっけい)歌など短歌14首がおさめられている。名は意吉麻呂,興麻呂ともかく。
格言など】引馬野(ひくまの)ににほふ榛原(はりはら)入り乱れ衣にほはせ旅のしるしに(「万葉集」)

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