長生殿(戯曲)(読み)ちょうせいでん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

長生殿(戯曲)
ちょうせいでん

中国、清(しん)初の戯曲。50齣(せき)(幕)。浙江銭塘(せっこうせんとう)の洪昇の作。孔尚任(こうしょうじん)の『桃花扇(とうかせん)』とともに清代の南曲の二大傑作と称される。唐の玄宗(げんそう)と楊貴妃(ようきひ)のロマンスを、白居易の『長恨歌(ちょうごんか)』に拠(よ)って筋を進め、貴妃の入内(じゅだい)、安禄山(あんろくざん)の乱、そして貴妃の死のあと、蜀(しょく)から都に帰った玄宗が、道士に命じて貴妃の魂を探させ、8月15日の夜、仙橋を渡って月宮に至り、貴妃と再会する。元(げん)曲では玄宗と楊貴妃の話を扱ったものが多かったが、南曲ではまれである。10余年に三たび稿をかえて成ったという苦心の作であり、聖祖がこの芝居を見て喜び、俳優に銀20両を賜ったという話は有名である。

[岩城秀夫]

『塩谷温訳『長生殿』(『国訳漢文大成 文学部17』所収・1923・国民文庫刊行会)』

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