長生殿(読み)ちょうせいでん

精選版 日本国語大辞典 「長生殿」の意味・読み・例文・類語

ちょうせい‐でん チャウセイ‥【長生殿】

[1]
[一] 中国の唐代、現在の陝西省西安市東郊の驪山(りざん)にあった華清宮内の宮殿の名。
[二] 中国の清代の戯曲。五〇幕。洪昇(こうしょう)作。康熙二七年(一六八八)成立。白居易の「長恨歌」、陳鴻の「長恨歌伝」などに基づき唐の玄宗皇帝と楊貴妃愛情物語を描いたもの。
[2] 〘名〙 干菓子一種江戸初期より伝わる御所落雁紅白にうちわけ改良したもの。遠州流茶祖小堀遠州政一の命名金沢市名物

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デジタル大辞泉 「長生殿」の意味・読み・例文・類語

ちょうせい‐でん〔チヤウセイ‐〕【長生殿】

太宗驪山りざんに建てた離宮玄宗が華清宮と改名し、楊貴妃を伴って遊んだことで有名。
長方形をした紅白の落雁らくがん金沢市銘菓

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百科事典マイペディア 「長生殿」の意味・わかりやすい解説

長生殿【ちょうせいでん】

中国,清代の戯文。洪昇(こうしょう)〔1659-1704〕の作。50幕。1679年(1688年とも)なる。《長恨歌》《梧桐雨》などに範をとり,玄宗皇帝と楊貴妃の愛情を,楊家一門の栄華や安禄山反乱など,唐王朝の興亡を背景に描く。文辞美麗なること清代随一の秀作とされ,《桃花扇》と並称される。

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改訂新版 世界大百科事典 「長生殿」の意味・わかりやすい解説

長生殿 (ちょうせいでん)
Cháng shēng diàn

中国,清代の戯文。洪昇(1659-1704)の作。楊貴妃が唐の玄宗に寵愛されるに至る経緯から,安禄山の乱,馬嵬坡での死を描き,乱後,玄宗が法壇を設けて貴妃の霊を招き,道士が月宮に向かって仙橋を架け,玄宗を導いて貴妃と再会させる,という筋である。10余年の間に三たび稿をかえて成ったといわれ,孔尚任の《桃花扇》とともに,明初以来盛行してきた戯文の掉尾とうび)を飾る作品である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長生殿」の意味・わかりやすい解説

長生殿
ちょうせいでん
Chang-sheng-dian

中国の長編戯曲。清の洪昇の作。 50幕。康煕 27 (1688) 年成立。唐の玄宗と楊貴妃の故事を主題としたもの。白居易の『長恨歌』,陳鴻の『長恨歌伝』,白仁甫の元曲『梧桐雨』など,この故事を扱った多くの先行作品をもととし,これを集大成して長編の戯曲としたもの。玄宗と楊貴妃の関係を純粋な愛情として描いた点が従来の作品と異なり,十余年を費やし,3度も稿を変えて成ったと伝えられる。音楽もすぐれ,清代第一の大作。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「長生殿」の解説

長生殿
(通称)
ちょうせいでん

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
小栗長生殿 など
初演
享保10.11(江戸・中村座)

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デジタル大辞泉プラス 「長生殿」の解説

長生殿

石川県金沢市、森八が製造・販売する銘菓。富山産の糯米(もちごめ)、徳島産の和三盆糖を使用した長方形の落雁。日本三大銘菓のひとつといわれる。

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