長福寺廃寺
ちようふくじはいじ
[現在地名]一宮市千秋町加納馬場 長福寺
犬山扇状地の扇端部、標高一三メートルに位置し、飛鳥時代(七世紀中頃)の寺院跡。遺跡の北東一・五キロには、前代の有力な前方後円墳、江南市曾本二子山古墳がある。
昭和一二年(一九三七)百済系軒丸瓦と、移動した二つの塔心礎が知られ、同一四年の発掘では根固石や基壇らしき石段があったといい、以後、東西両塔を有する寺院跡といわれてきた。しかし、同四五年の調査で、基壇や根固石は発見できず、比較的浅い所に平坦な地山礫層が続くのみで、寺院遺構は確認されなかった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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