門下府(読み)もんかふ(英語表記)Munhabu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「門下府」の意味・わかりやすい解説

門下府
もんかふ
Munhabu

朝鮮高麗および朝鮮王朝 (李朝) 初期の最高中央官庁。門下府の名称は高麗の恭愍王 18 (1369) 年から朝鮮王朝の太宗1 (1401) 年まで用いられた。その前身は唐の門下省で,高麗初期には,内議省,次いで内史門下省,中書門下省,僉議 (せんぎ) 府,都僉議府などの名称をもち,国政の最高執行機関であった。忠烈王5 (1279) 年都評議使司がおかれ,国政の最高議決機関ができるとそれに所属し,朝鮮王朝に引継がれた。朝鮮王朝では都評議使司の決定事項を王が裁定し,それが門下府に伝えられ,門下府から六曹 (吏,戸,礼,刑,兵,工) に命じられた。しかし定宗2 (1400) 年都評議使司が議政府と改称され,翌年門下府の職務が議政府に移され,消滅した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android