開城簿記(読み)かいじょうぼき

改訂新版 世界大百科事典 「開城簿記」の意味・わかりやすい解説

開城簿記 (かいじょうぼき)

朝鮮,李朝時代に開城(松都)の商人が使用した簿記。近代的な複式簿記原理に通じるシステムをもち,ルネサンス期の北イタリア都市におけるその形成とほぼ同じころから,独自に考案され発展したものである。取引を発生順に記録する〈日記帳〉のほか,債権・債務の決済関係を記入する〈捧次秩〉〈給次秩〉,商品の購入・売却を記入する〈買得秩〉〈放入秩〉という四つの元帳があり,決済関係については取引先別に,売買については項目別に勘定口座が設けられていた。日記帳にもとづき仕訳をして四つの帳簿転記(分介)したが,ここから松都四介治簿法とも呼ばれる。のちには捧次秩と放入秩,給次秩と買得秩がそれぞれ〈外上長冊〉〈他給長冊〉という二つの元帳に統合された。それと同時に,各帳簿の計算資料を概括して財政状態を明らかにし,純損益と原因を解明する〈会計冊〉が,貸借対照表あるいは損益計算書ともいうべきものとして作成されるようになった。
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