開拓使事業報告(読み)かいたくしじぎようほうこく

日本歴史地名大系 「開拓使事業報告」の解説

開拓使事業報告(事業報告)
かいたくしじぎようほうこく

七冊 大蔵省 明治一八年刊

解説 明治二年開拓使設置以来一五年廃使までの開拓使事業成績の記録。各種事業報告等の集大成でもある。明治一四年札幌本庁と東京出張所で準備をはじめ、同一五年に大蔵省内の開拓使残務整理委員の下で主任奥並継以下、旧開拓使官吏が編纂にあたった。校閲者も鈴木大亮ほか旧開拓使高官がしめた。

構成 本編五、附録二(布令類聚)の計七編・七冊(本編四千二四頁、附録二千五一八頁)。本編は大項目として沿革・地理戸籍勧農土木・物産・運輸・通信・衛生・教育・兵備・外事・恩典・警察・裁判・監獄租税・会計の一八、その下に中項目五九があり、以下は本・支庁その他管轄役所・施設ごとにまとめられている。各項目・事業の変遷と成果の記述が主体であるが、各所に地誌事項がみえる。例えば「地理」の管轄の部に本・支庁ごとの町・村の変遷表があり、同一五年の全町村に振仮名がつき、管内図と主要市街図を付す。「勧農」の移民の部では多くの新開集落についてまとまった記述がある。附録・布令類聚は、本編と同じ構成により、開拓使に関する太政官等の公達類のほか、開拓使各機関からの布達・達類を編集したもの。布令集は別に明治二―一〇年分の「開拓使布令録」六冊(明治一二―一六年刊)がある。昭和五六―六〇年復刻。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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