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刑事に関する身柄拘禁を行う施設の総称として,明治初期以来,用いられてきた語。現在では,1908年公布の監獄法以下の諸法令が,その管理運営や被拘禁者の処遇などを定める。自由刑の執行を行う懲役監・禁錮監・拘留場と,死刑囚や刑事被告人・被疑者などを拘禁する拘置監とがある。警察の留置場は,これらの監獄に代用されるが,この代用監獄には人権保障上批判も多い。監獄法のほか,刑法や刑事訴訟法も〈監獄〉の語を用いているが,大正期の行刑刷新以来,〈~監〉は〈~場〉に,施設の名称としては刑務所や拘置所などに変えられた。犯罪者処遇をも内容としたかつての監獄学は,行刑学や矯正科学などとして装いを改めており,監獄法も,刑事施設法案(1982,1987,1991)が国会に上程されるなど,その名称をも含めて改正作業の対象となっている。
→刑務所 →牢屋
執筆者:吉岡 一男
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…独立後,重労働を伴う拘禁刑が死刑にかえられることとなり,73年開設のウォルナット街ジェイルは,89年から重罪囚の拘禁を始め,翌年の重罪者用居房の増設もあって,懲治監penitentiaryとして知られるようになった。他の諸州でも自由刑が死刑に代わったが,収容者の増加により従来の地方監獄jailでは不十分となり,18世紀から19世紀にかけて州立刑務所prisonの建設が相次いだ。ペンシルベニアでも1818年のものにつづいて28年に西懲治監,翌年に東懲治監が開設され,その独房方式はペンシルベニア制(ないしフィラデルフィア制)として他州の注目をひいた。…
…被疑者,被告人や受刑者を収容する刑事施設の総称として,大正期から,監獄に換えて用いられている語。1947年の法務省設置法では,刑事施設として,刑務所,少年刑務所,拘置所の3種が規定されており,そこでいう刑務所は主として受刑者を収容して自由刑の執行を行う施設(行刑施設)とされる。…
…18世紀後半にイギリスの思想家J.ベンサムによって唱えられた集中型の監獄(刑務所)の形式。一望監視施設(装置)とも訳す。…
…近代以降の牢屋すなわち監獄(刑務所)とは,懲役刑,禁錮刑を宣告された犯罪者が身体を拘束される場所を意味するが,その目的や機能には(1)犯罪者の自由を剝奪するという社会的制裁,(2)有益な労働を行わせて犯罪者の社会復帰に備えさせるという矯正の役割,(3)社会秩序を保つため社会の危険人物を隔離する役割,などがある。しかし,牢屋は人間の歴史とともに存在しており,その機能および社会的存在理由は,時代や諸地域の社会の進展とともに大きく変化し,当初から以上のようなものではなかった。…
※「監獄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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