開発保(読み)かいほつほ

日本歴史地名大系 「開発保」の解説

開発保
かいほつほ

北塩屋きたしおやを中心とした地域に比定される国衙領。文永二年(一二六五)の若狭国惣田数帳写に応輸田の一として「開発保「国領」(朱書)十六町九反百五十歩」とあり、除田は九町三反一四〇歩沙門堂三反・日吉宮五反・若王子二反・湯屋田一反・地頭給三町六反一八〇歩・職掌行充給三反)、定田は七町六反一〇歩で、鎌倉末期の状況を示すとされる朱書により北条得宗領となっていたことが知れる。

南北朝期には西津庄にあった守護所が、応永一六年(一四〇九)一一月当保内塩浜しおはま若王子ないこうじ宮前へ移された(若狭国守護職次第)。若王子宮は本地十一面観音と伝え、羽賀はが寺が別当を勤め(羽賀寺年中行事)、所在地はてんじよう山の枝峰が西南に延びた先端部分で、現在もナイコウジ山とよばれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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