間接遷移(読み)かんせつせんい(英語表記)indirect transition

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「間接遷移」の意味・わかりやすい解説

間接遷移
かんせつせんい
indirect transition

伝導帯電子が光 (光子) を放出して価電子帯遷移するか,または価電子帯の電子が光子を吸収して伝導帯へ遷移するときに,電子と光子の相互作用格子振動媒介として間接的に行われるものがある。この間接相互作用による遷移を間接遷移と呼ぶ。固体のエネルギー帯構造において価電子帯のエネルギー最大点と伝導帯のエネルギー最小点が異なる波動ベクトルをもつ場合にこの遷移が起る。間接遷移は,電子と光子と格子振動 (音子) との多体衝突で起るため,その遷移確率は一般に低い。不純物準位を介した遷移でも間接遷移が起る。 (→直接遷移 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android