間接遷移(読み)かんせつせんい(その他表記)indirect transition

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「間接遷移」の意味・わかりやすい解説

間接遷移
かんせつせんい
indirect transition

伝導帯電子が光 (光子) を放出して価電子帯遷移するか,または価電子帯の電子が光子を吸収して伝導帯へ遷移するときに,電子と光子の相互作用格子振動媒介として間接的に行われるものがある。この間接相互作用による遷移を間接遷移と呼ぶ。固体のエネルギー帯構造において価電子帯のエネルギー最大点と伝導帯のエネルギー最小点が異なる波動ベクトルをもつ場合にこの遷移が起る。間接遷移は,電子と光子と格子振動 (音子) との多体衝突で起るため,その遷移確率は一般に低い。不純物準位を介した遷移でも間接遷移が起る。 (→直接遷移 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android