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格子振動 こうししんどうlattice vibration

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

格子振動
こうししんどう
lattice vibration

結晶格子を構成している原子や分子が,それらの安定な位置の付近で行う振動で,結晶内を波として伝わる。格子振動は波数ベクトルで指定される固有振動に分解される。波数ベクトルが零に近づく,すなわち長波長になると振動数が零に近づく振動は音波に相当し音響モードと呼ばれる。2種以上の原子を含む結晶では,音響モード以外に波数ベクトルが零に近づいても大きな振動数をもつ固有振動が存在し,これは光によって励起されやすいので光学モードと呼ばれる。格子振動を量子化するとフォノンと呼ばれる準粒子になる。赤外線吸収や中性子回折などによって研究される。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうししんどう【格子振動 lattice vibration】

固体の中では,原子はかってに動きまわっているのではなく,平衡位置のまわりで微小な振動をしている。この振動を格子振動という。固体の温度が高いということは,格子振動のエネルギーが大きく,振動の振幅が大きいことを意味している。したがって,格子振動は固体の比熱に寄与する。温度が高いとき,固体比熱は物質によらずほぼ6cal・deg-1・mol-1(デュロン=プティの法則)になるが,これは,格子振動に対してエネルギー等分配の法則を適用して説明される。

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大辞林 第三版の解説

こうししんどう【格子振動】

結晶格子を構成する原子が、それぞれの平衡位置の周りに行う微小振動。固体の熱運動の一種。格子振動を基準振動に分解し、量子化を行うことによって、格子振動は量子力学的にはフォノンの集まりとして扱われる。

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世界大百科事典内の格子振動の言及

【素励起】より

…固体中の原子は基底状態においては格子点を占めているが,励起状態ではその格子点のまわりの運動が考えられる。そのような運動のうちで,もっとも低いエネルギーをもつのは全原子が互いに一定の位相を保って振動する自由度で,これが格子振動であり,格子振動を量子化した素励起をフォノンと呼ぶ。このように,フォノンの原因は各原子の運動であるが,素励起としてのフォノンの運動形態は,原子個々の運動とはたいへん異なっている。…

※「格子振動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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