閩人三十六姓

山川 日本史小辞典 改訂新版 「閩人三十六姓」の解説

閩人三十六姓
びんじんさんじゅうろくせい

三十六姓移民とも。14~15世紀に沖縄に渡来した中国人のこと。福建省(古名は閩)出身者が多いところからこういう。1372年明太祖の詔諭にこたえて琉球国中山王察度(さっと)が入貢。以後北山・中山・南山の3王国とも頻繁に進貢したが,その際文書の収発事務,行政的対応,進貢船操舵など,渡来中国人の役割は大きかったと考えられる。その渡来は「中山世譜」などに92年と記されるが,72年前後から渡来していたのは確実。三十六姓の表現も多数という程度の意で,集団で一時に渡来したのではないと考えられている。明代初期の渡来人は琉中間を往来し,年老いると帰国するケースが多く,沖縄での定着は2~3代後で,子孫久米村(クニンダ)を形成した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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