防しわ加工(読み)ボウシワカコウ

化学辞典 第2版 「防しわ加工」の解説

防しわ加工
ボウシワカコウ
crease proofing

綿,麻,レーヨンなどのセルロース系織物はひずみ回復性が悪く,しわになりやすいので,それを防ぐ効果を与える加工法.はじめに尿素とホルムアルデヒドの初期縮合物,ついで尿素やメラミンのヒドロキシメチル化物が用いられた.さらに二つのヒドロキシメチル基をもつ化合物を用い,セルロースのヒドロキシ基と反応させて,セルロース分子間に橋かけをつくらせ,分子相互の滑脱を減少させる方式などの樹脂加工が用いられる.また,製品に対して,洗濯してもひだが消えずに小じわが入らない,乾防しわ性のすぐれたパーマネントプレス加工(PP加工),洗濯後もしわの残らないWW加工なども出現したが,原理的には一般の樹脂加工の応用である.防しわ性能と布の切断強度,引裂強度,屈曲摩耗性が相反することが多く,この点より改善の余地が多い.また,残留ホルマリンなど人体に対する障害の起こらない処理が必要である.[別用語参照]防しわ性

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報