阿千代・御千代(読み)おちよ

精選版 日本国語大辞典 「阿千代・御千代」の意味・読み・例文・類語

おちよ【阿千代・御千代】

[1] 江戸時代、明和年間(一七六四‐七二)頃に実在した売春婦の名。隅田川に浮かべた舟中で客をとった船饅頭という下等な娼婦で、のち、船饅頭の異名ともなった。
洒落本・太平楽巻物(1782)「ほちゃほちゃの阿千代(オチヨ)といふ船饅頭の品物あり」
[2] 〘名〙
① ((一)から) 「ふなまんじゅう(船饅頭)」の異名。→おちよ船
※雑俳・末摘花(1776‐1801)初「また火してねる程おちよ買こなし」
② 女の粋(いき)な髪型の名。櫛巻(くしまき)などの結い方を少しかえて、笄(こうがい)で留めたもの。

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