阿多古郷(読み)あたごごう

日本歴史地名大系 「阿多古郷」の解説

阿多古郷
あたごごう

天竜川支流の阿多古川の中・下流域一帯に比定される中世の郷。嘉元四年(一三〇六)六月一二日の昭慶門院領目録案(竹内文平氏旧蔵文書)浜松庄を構成する郷として「遠繁朝田阿多古持明院三位入道」、別に頭書に「朝向 阿多古郷」とみえている。浜松庄域は現浜松市西部から雄踏ゆうとう町にかけてに比定されているが、「阿多古」は浜松庄の飛地であったとみられ、「朝田阿多古」は持明院三位入道、「朝向 阿多古郷」は大窪おおくぼ(現浜松市)とともに三条三位中将(公雅)が領家職をもっていた。青谷あおや神明宮蔵の明応七年(一四九八)一一月吉日の棟札銘に「遠州豊田郡阿多古青谷村」とみえ、当郷のうちに青谷村が含まれた。なお阿多古内青谷村の天照太神宮(現神明宮)の造立のために「大河内兵庫守一貫文・中条方五百文・奥一色五百文・藤平一貫文・上村 ・坪井一貫文・中村 」などが奉加していた(同年一一月二五日「棟札銘写」神明宮蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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