阿寒富士(読み)あかんふじ

日本歴史地名大系 「阿寒富士」の解説

阿寒富士
あかんふじ

阿寒町・白糠しらぬか町と十勝支庁管内足寄あしよろ郡足寄町の境界に位置する火山。阿寒国立公園内にあり、標高は一四七六・三メートル。美しい円錐形の成層火山で、阿寒カルデラ南西縁に噴出した雌阿寒めあかん岳火山体の一部を構成している。一〇〇〇―二五〇〇年前に玄武岩質の溶岩・溶結火砕岩・降下スコリアなどを噴出して誕生した。その時に流出した溶岩の一部が螺湾らわん川の谷を堰止めた結果、西麓足寄町内にオンネトーが形成された。近世文献ではほとんどが阿寒富士と北にある雌阿寒岳とを区別せずに、一括して「アカン山」「アカン岳」「女アカン」などと記述しており、「協和私役」に「女アカン」とは別に「クスリの山」とみえる(安政三年八月八日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「阿寒富士」の解説

阿寒富士

北海道東部に釧路地方北部にある山。標高1476メートル。

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世界大百科事典(旧版)内の阿寒富士の言及

【雌阿寒岳】より

…洪積世中期に激しい火山活動を繰り返した後に陥没して形成された長径24km,短径13kmに及ぶ阿寒カルデラの南西カルデラ壁上に噴出し,複雑な構造をもつ火山である。火山体の主要部は中央火口と呼ばれる中マチネシリとその側火山にあたり,最高峰のポンマチネシリ(1499m),阿寒富士(1476m)からなる。中央火口とポンマチネシリ火口の硫気孔から現在もたえず噴煙をあげており,とくに後者は1956年に水蒸気爆発をおこし,周辺に被害を与えた。…

※「阿寒富士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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