阿寒町・
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北海道東部,十勝支庁と釧路支庁との境界に位置する火山。山名はアイヌ語の〈マッネシリ(女の山)〉に由来し,雄阿寒岳の〈ピンネシリ(男の山)〉に対する。洪積世中期に激しい火山活動を繰り返した後に陥没して形成された長径24km,短径13kmに及ぶ阿寒カルデラの南西カルデラ壁上に噴出し,複雑な構造をもつ火山である。火山体の主要部は中央火口と呼ばれる中マチネシリとその側火山にあたり,最高峰のポンマチネシリ(1499m),阿寒富士(1476m)からなる。中央火口とポンマチネシリ火口の硫気孔から現在もたえず噴煙をあげており,とくに後者は1956年に水蒸気爆発をおこし,周辺に被害を与えた。第2次大戦後は中央火口からの硫黄の採掘も行われていたが,現在は中止されている。阿寒国立公園の一部をなし,西麓には雌阿寒温泉(正苦味泉,42℃)もある。標高1000m付近まではエゾマツ,トドマツの原始林でおおわれ,1000m以上にハイマツの群落,1200m以上の各所に高山植物のお花畑がみられる。
執筆者:奥平 忠志
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北海道東部、十勝(とかち)総合振興局管内の足寄町(あしょろちょう)と釧路(くしろ)総合振興局管内の釧路市の境界にある火山。標高1499メートル。北東15キロメートルの雄阿寒岳(おあかんだけ)をアイヌ語で「ピンネシリ」(雄山)というのに対し、「マチネシリ」(雌山)という。中央火口(中マチネシリ)を含む主要部と、ポンマチネシリ、阿寒富士などの寄生火山からなり、中央火口を含む主要部とポンマチネシリは現在も活動している。これらの火山群は阿寒カルデラ(長径24キロメートル、短径13キロメートル)が陥没し、その反動でカルデラ壁上などに噴出したもの。山麓(さんろく)は針葉樹林が広く分布し、六合目以上は低木林からハイマツ帯に変わり、高山植物も多い。阿寒摩周(ましゅう)国立公園域で、西麓の雌阿寒温泉から頂上まで約2時間を要する。
[進藤賢一 2018年5月21日]
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(井田喜明 東京大学名誉教授 / 2007年)
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