日本大百科全書(ニッポニカ) 「白糠」の意味・わかりやすい解説
白糠(町)
しらぬか
北海道東部、釧路(くしろ)総合振興局管内の町。太平洋に臨む。1950年(昭和25)町制施行。町名はアイヌ語「シラライカ(シラリカ、シラルカ)」(潮のあふれる所)による。北部、西部の山地、白糠丘陵が町域の大部分を占め、茶路(ちゃろ)川、庶路(しょろ)川河谷に平地が帯状に分布する。海沿いにJR根室本線と国道38号が走り、国道392号が南北に通じている。道東自動車道の白糠、庶路のインターチェンジがある。主要地区は海岸に立地し、中心地区は白糠。海岸は江戸時代から漁業で開け、1901年(明治34)釧路―白糠間の鉄道開通後は内陸原野の開拓が進んだ。主産業は乳・肉牛飼育、馬産、養鶏などの畜産と、シシャモ、カニ、サケなどの漁業、食品、木材・木製品、機械などの工業、および林業。釧路空港に近い釧路市との境界付近に釧路・白糠(釧白)工業団地がある。昭和初期から発展した石炭鉱業は1970年までに閉山し、石炭輸送を主目的に開業した旧国鉄白糠線は1983年に廃線となった。面積773.13平方キロメートル、人口7289(2020)。
[古川史郎]
『『白糠町史』(1954・白糠町)』