白糠(読み)しらぬか

改訂新版 世界大百科事典 「白糠」の意味・わかりやすい解説

白糠[町] (しらぬか)

北海道南東部,釧路市の西に接する釧路支庁白糠郡の町。人口9294(2010)。白糠丘陵の南東部に位置し,南は太平洋に面する。集落は太平洋にそそぐ茶路川,庶路(しよろ)川などの流域に散在し,中心市街地は茶路川河口の国道沿いにある。開発の歴史は古く,1800年(寛政12)には武蔵国の八王子千人同心50人が北辺の防備開拓を兼ねて一時入地している。安政年間(1854-60)には箱館入港の外国汽船に供給するため,道内最古の炭鉱が開かれ,数年間採炭された。本格的な入植は植民区画が設定された1897年以降である。農耕不適の土地のため馬産農家が多く,1900年の軍馬補充部の設置や11年の釧路市大楽毛(おたのしけ)馬市の開設などが馬産の振興を促した。しかし第2次世界大戦後は乳牛飼育に変わり,酪農が農業の中心となっている。かつて基幹産業であった炭鉱はすべて閉山し,産炭地振興により,木材工場などの工業団地が造成されている。JR根室本線,国道38号線が通る。
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