阿射賀御厨(読み)あざかのみくりや

日本歴史地名大系 「阿射賀御厨」の解説

阿射賀御厨
あざかのみくりや

大阿坂おおあざか村・小阿坂村付近に成立した伊勢神宮領。「太神宮諸雑事記」康平三年(一〇六〇)八月三日条に「伊勢守義孝被配流於隠岐国已了、事発以去元年七月、件守為検田入部一志郡之処、郡司伊元宿禰之住宅焼払已了、而件宿禰乍為郡司、豊受太神宮之御領字阿射賀御厨司兼任也、仍供祭物徴納之間、同以焼失了、依即件訴被配流也」とみえ、伊勢守義孝が隠岐に配流された事件の一方の当事者として、一志郡司であり、同時に外宮領阿射賀御厨の御厨司を兼任していた伊元宿禰なる人物が現れる。この時、御厨の供祭物はいったん御厨司の「住宅」に徴納され、次いで外宮へ弁納されていた。「吾妻鏡」文治六年(一一九〇)四月一九日条に載せる内宮役夫工作料未済所々注文に「阿射賀御厨」の名がみえ、「非知行所、阿射賀、志礼石、雖為没収領、自院分給本領主云々、但於阿射賀者、補地頭所也、然者可加下知也」とあり、治承・寿永の内乱と絡む没収領であり、後白河院から本領主に分給されてはいたが、地頭が補任されていたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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