阿納尻村
あのじりむら
[現在地名]小浜市阿納尻
小浜湾東側入江の最奥に位置し、甲ヶ崎村の北東にあたる。東は阿納坂を隔てて阿納浦。建久六年(一一九五)一二月四日付の太政官符(吉川半七氏旧蔵文書)は国富郷の四至を記し「
示伍本」として「一本北 打阿那尾山并同尻山与当保三辻峯」が記され、地名の初出と考えられる。阿納尻の表記は永徳年中(一三八一―八四)の「阿納尻四名」(若狭国守護職次第)が早い例であろう。四名とは阿納尻・高屋・古津・甲ヶ崎と伝えるが(内外海村誌)、明らかでない。伝承では小字古津に建仁三年(一二〇三)頃、税所代古津三郎時通の館があり、南北朝期以前の津であったという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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