日本歴史地名大系 「附馬牛村」の解説 附馬牛村つきもうしむら 岩手県:遠野市附馬牛村[現在地名]遠野市附馬牛町上附馬牛(つきもうしちようかみつきもうし)・附馬牛町下附馬牛(つきもうしちようしもつきもうし)猿(さる)ヶ石(いし)川上流の山岳地帯に立地し、南は安居台(あおだい)村。早池峰(はやちね)山(一九一三・六メートル)に向かう登山道が通る。「つくもうし」ともよばれる。村名は小倉(こくら)の稲荷神社に槻の巨木があり、その下に多くの牛馬を放つことができたことから生じたという伝説がある(附馬牛村誌)。嘉祥四年(八五一)円仁草創の遠野七観音の一つが当地に祀られたと伝え、附馬牛山長洞寺と号したという。文治五年(一一八九)源頼朝が藤原氏を滅ぼしたのち阿曾沼広綱に遠野一二郷を与えたが(阿曾沼興廃記)、このうち上六郷のうちに当地も含まれたと伝える。耳切(みみきり)山(八七四・九メートル)の南西麓、猿ヶ石川左岸に荒(あら)川が合流する辺りに火渡(ひわたし)館跡がある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by