降水確率(読み)こうすいかくりつ(その他表記)probability of precipitation

日本大百科全書(ニッポニカ) 「降水確率」の意味・わかりやすい解説

降水確率
こうすいかくりつ
probability of precipitation
chance of rain

気象庁が発表する天気予報のうち、雨か雪の降る確率予報の一つ。降水確率予報ともいう。1日を0~6時、6時~12時、12時~18時、18時~24時の四つの時間帯に分けた短期予報と、週間予報に用いられる1日予報の2種類がある。予報値は0%から100%までの百分率で、一桁(けた)の値は四捨五入されて、10%きざみの11段階で表される。短期予報は、特定地域内のどこかで、それぞれの時間帯に1ミリメートル以上の雨か雪が降る確率予測した数値である。たとえば、降水確率が60%の場合は、100回の同じ予報が出されたとき、1ミリメートル以上の雨か雪が60回は降ることを示している。週間予報の場合は1日の間に1ミリメートル以上の雨が降る確率を示した予測である。一般的に誤解されがちであるが、確率の数字の高さと、雨の降っている時間の長さ、地域の範囲雨量の多さにはなんら関係はなく、あくまで1ミリメートル以上の降雨があるかどうかが基準となっている。

 降水確率は1980年(昭和55)6月に東京地方で始まり、1982年7月から全国の各地域で発表されるようになった。のちに6時間ごとの降水確率を予測した短期予報が開始され、1日の間で雨の降りやすい時間帯が予測できるようになった。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の降水確率の言及

【雨】より

…エコーの強さを分類し,地上の雨量分布と対応させて数時間後の雨量予測をある程度きめ細かにすることができる。 このほかに,統計法を利用して約24時間先の降水の起こる割合(降水確率)を計算することができ,目下,全国的に業務化されている。また,力学的方法によりもう少し大きい範囲(100~数百km2)の約24時間後の雨量予測を計算することも開発されつつある。…

※「降水確率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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