普及版 字通 「陟」の読み・字形・画数・意味


10画

[字音] チョク
[字訓] のぼる・すすむ・たかい

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(ふ)+(歩)。は神の陟降する神梯の象。〔説文〕十四下に「登るなり」とあり、もと神霊の陟降することをいう。陞(のぼ)ることを陟といい、降下することをという。(こう)はの倒文。〔詩、周頌、閔予小子〕「に陟す」とは、神を迎える中廷に、神霊が降下する意。〔詩、大雅、文王〕に「王陟して の左右に在り」とは、文王の霊が帝所に陟ることをいう。卜辞にも「甲に陟せんか」「乙に陟せんか」という辞がある。のち、高所に陟ること、地位を高めることをもいう。

[訓義]
1. のぼる、神梯をのぼる。帝所にのぼる、天にのぼる、天に往来する。
2. たかい、たかくのぼる。
3. 位をすすめる、位を高くする、すすむ。

[古辞書の訓]
名義抄〕陟 ススム・ノボル・タダシ・タカシ・シリゾク・ヨル 〔立〕陟 ワタル・ススム・スタル・タカシ・ノボル

[声系]
〔説文〕に陟声として(しつ)を収める。〔説文〕十上に「牡馬なり」とするが、〔爾雅、釈天〕に「陞るなり」とあり、陟の声義を承ける字である。天馬のような考えかたがあったのかもしれない。

[語系]
陟tik、登・tngは声義が近い(騰)dng、乘(乗)djingも同系の語。升・陞・昇sjingは升の声義をとり、升は斗勺の形。神に「升(すす)める」意があり、昇献のことから、同系の語となった。

[熟語]
陟恪・陟・陟・陟降陟升陟陞陟配陟罰陟方
[下接語]
降陟・載陟・昇陟進陟陟・黜陟・登陟・遊陟

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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