日本大百科全書(ニッポニカ) 「陸定一」の意味・わかりやすい解説
陸定一
りくていいち / ルーティンイー
(1907―1996)
中国の政治家。江蘇(こうそ)省出身。1924年、中国共産党に入党。上海(シャンハイ)の交通大学卒業後、旧ソ連とアメリカに留学。帰国後、瑞金(ずいきん)の江西ソビエト区で共産主義青年団総書記、ついで紅軍第一方面軍宣伝部長となって、長征に参加。抗日戦争中は華北前線で政治工作に従事、1945年党中央委員、党中央宣伝部長。1946年党南京(ナンキン)弁事処主任。新中国成立とともに、宣伝部長兼任のまま政務院文化教育委員会副主任、人民代表大会常務委員。1959年国務院副総理、1965年文化部長を兼任、文芸・教育部門の最高指導者となる。1956年5月の「百花斉放・百家争鳴」の講演は、言論自由化との関連でとくに有名。文化大革命中はすべての職務を解任されたが、のち名誉回復、1982年中央顧問委員会常務委員に選ばれた。全国政協副主席も務めた。
[安藤彦太郎]