陸徳明(読み)りくとくめい(その他表記)Lù Dé míng

改訂新版 世界大百科事典 「陸徳明」の意味・わかりやすい解説

陸徳明 (りくとくめい)
Lù Dé míng
生没年:550?-630

中国,唐の経学者。名は元朗というが,字の徳明で呼ばれることが多い。いわゆる〈以字行(字をもって行わる)〉の例である。呉(江蘇省)の人。早く六朝陳のときから英才として知られた。隋の煬帝(ようだい)のときに秘書学士,ついで国子助教となった。唐に入って太宗,当時は秦王の文学館学士となり,ついで太学博士,貞観の初めには国子博士となり,呉県男に封ぜられてから死去した。《経典釈文》は,いまでも経学研究に必須の参考書となっている。《老子疏》《易疏》があったというが,いまそれらは伝わらない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陸徳明」の意味・わかりやすい解説

陸徳明
りくとくめい
Lu De-ming

[生]?
[没]貞観4(630)?
中国,隋,唐の学者。呉県 (江蘇省) の人。名は元朗。字の徳明で伝わる。唐初のいわゆる「秦王の 18学士」の一人。儒,仏,道三教に通じ,隋の国子助教,唐の国子博士となり,呉県男に封じられた。『易説』などの著があったが,『経典釈文』 (30巻) だけが伝わる。これは,「尚書,詩,三礼,三伝,孝経,論語,爾雅 (じが) 」の伝事と音訓を明らかにしているもので,経学上不可欠の書。

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世界大百科事典(旧版)内の陸徳明の言及

【経典釈文】より

…〈けいでんしゃくもん〉ともよむ。唐の陸徳明の著。30巻。…

※「陸徳明」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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