陽成院跡(読み)ようぜいいんあと

日本歴史地名大系 「陽成院跡」の解説

陽成院跡
ようぜいいんあと

陽成天皇後院ごいんで、「拾芥抄」は「大炊御門南、西洞院西、件院御誕生」と記す。同書東京図は高陽院の南に方一町を記す。しかし陽成院の境域についてはすぐ南に方一町を占めた二条院を含める説もある。「河海抄」がそれで、「拾芥抄」が二条院を「二条北、堀川東、天暦母后御領」として陽成院とは別のものとしているのに対し、「陽成院を二条院と号云々、脱之後、御此院、二条以北・大炊御門南、油小路以東西歟・西洞院以西東歟也」としている。これに従えば南北二町が陽成院ということになる。また「今昔物語集」巻二七の「冷泉院水精、成人形被捕語」も「今昔、陽成院ノおはし マシケル所ハ、二条ヨリハ北、西ノ洞院ヨリハ西、大炊ノ御門ヨリハ南、油ノ小路ヨリハ東二町ニナム住セ給ケルニ」と記して同様の二町を陽成院としている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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