隈隈(読み)くまぐまし

精選版 日本国語大辞典 「隈隈」の意味・読み・例文・類語

くまぐま‐し【隈隈】

〘形シク〙
① 隈が多い。深く入りこんで隠れてよく見えない。薄暗くて見えにくい。
出雲風土記(733)飯石「甚く久麻久麻志枳(クマクマシキ)谷なり」
樹木が繁茂している。木の葉などが生い茂って、こんもりとしている。
平中(965頃)一七「この前栽の、いとおもしろく、くまぐましき見るなり」
③ 心に隠しだてが多い。心に秘密を持っているようだ。
源氏(1001‐14頃)梅枝「なにごとか侍らむ。くまくましくおぼしたるこそ、苦しけれとて」
くまぐまし‐げ
〘形動〙
くまぐまし‐さ
〘名〙

くま‐ぐま【隈隈】

〘名〙 あちらこちらのすみ。すみずみ。
書紀(720)仁徳三〇年一一月・歌謡「寄るましじき 川の区(クマグマ) よろぼひゆくかも 末桑(うらぐは)の木」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「隈隈」の意味・読み・例文・類語

くま‐ぐま【××隈】

あちこちのすみ。すみずみ。「隈隈まで探し求める」

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