ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「隔膜法」の意味・わかりやすい解説
隔膜法
かくまくほう
diaphragm process
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出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
… 235Uと238Uとは,核的特性がまったく異なり,1原子当りの重さもわずかに異なるが,ともにウラン元素としての共通した化学的特性を有するため,通常の分析化学的な操作では,実際上,両者を濃縮・分離することはできない。上記5ヵ国が最初に採用したウラン濃縮の方法は,いずれもガス拡散法または隔膜法と呼ばれるものであった。この方法は,ウランを気体状の化合物である六フッ化ウランUF6にし,この気体を隔膜と呼ばれるきわめて微細な貫通孔を有する多孔性物質中を通して低圧側に噴き出させると,隔膜を透過してきたUF6中の235Uの比率が,透過せずに高圧側に残っているUF6中の比率にくらべてわずかに高いことを利用するものである。…
…食塩水を電気分解して水酸化ナトリウムNaOHと塩素Cl2を製造する工業的方法。隔膜法,水銀法,イオン交換膜法の三つの方法がある。
[隔膜法]
アスベスト隔膜を用いて仕切った2室からなる電解槽の1室にDSE陽極(チタンTi板の表面に酸化ルテニウム(IV)RuO2などの電極触媒を付けた電極。…
…NaCl水溶液では次のイオン4種が存在し NaCl⇄Na++Cl- H2O⇄H++OH-これを電解すると陰極でアルカリが生成するが,そのままでは陽極に生じたCl2と混合して Cl2+OH-⇄ClO-+Cl-+H2Oが右に進むので,生成物が消費される。そのため生成物相互を分離するくふうがなされ,その方法には隔膜法,水銀法,イオン交換膜法の3種がある。発電機の発達した19世紀後半から直流電流を用いての工業的規模の電解が可能になった。…
…また1861年には品質面,コスト面で優れるアンモニアソーダ法(ソルベー法)がベルギーのE.ソルベーによって発明され,さらに90年にはドイツで塩水の電気分解(食塩電解)により,苛性ソーダ,塩素および水素を製造する電解法が工業化された。電解法は隔膜法と水銀法の2種に大別できるが,水銀法はより高純度の苛性ソーダを得られるため,第2次大戦後支配的になった。 日本のソーダ工業は欧米より90年遅れて1881年,パルプ製造に使用するソーダを国産化すべく大蔵省印刷局でルブラン法により東京丸ノ内で工業化されたのを始まりとする。…
※「隔膜法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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