出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…食塩水を電気分解して水酸化ナトリウムNaOHと塩素Cl2を製造する工業的方法。隔膜法,水銀法,イオン交換膜法の三つの方法がある。
[隔膜法]
アスベスト隔膜を用いて仕切った2室からなる電解槽の1室にDSE陽極(チタンTi板の表面に酸化ルテニウム(IV)RuO2などの電極触媒を付けた電極。…
…NaCl水溶液では次のイオン4種が存在し NaCl⇄Na++Cl- H2O⇄H++OH-これを電解すると陰極でアルカリが生成するが,そのままでは陽極に生じたCl2と混合して Cl2+OH-⇄ClO-+Cl-+H2Oが右に進むので,生成物が消費される。そのため生成物相互を分離するくふうがなされ,その方法には隔膜法,水銀法,イオン交換膜法の3種がある。発電機の発達した19世紀後半から直流電流を用いての工業的規模の電解が可能になった。…
…また1861年には品質面,コスト面で優れるアンモニアソーダ法(ソルベー法)がベルギーのE.ソルベーによって発明され,さらに90年にはドイツで塩水の電気分解(食塩電解)により,苛性ソーダ,塩素および水素を製造する電解法が工業化された。電解法は隔膜法と水銀法の2種に大別できるが,水銀法はより高純度の苛性ソーダを得られるため,第2次大戦後支配的になった。 日本のソーダ工業は欧米より90年遅れて1881年,パルプ製造に使用するソーダを国産化すべく大蔵省印刷局でルブラン法により東京丸ノ内で工業化されたのを始まりとする。…
※「水銀法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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