隔膜(読み)カクマク(英語表記)diaphragm

翻訳|diaphragm

デジタル大辞泉 「隔膜」の意味・読み・例文・類語

かく‐まく【隔膜】

動植物細胞組織を区切っている膜。娘細胞間に生じる細胞膜哺乳類横隔膜など。
電気分解透析に用いる、流体境界を隔てる多孔質の膜。特定分子を選択的に透過させる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「隔膜」の意味・わかりやすい解説

隔膜
かくまく
diaphragm

薄い膜を通して流体が浸透を起す場合に,この膜を隔膜と呼ぶ。隔壁と呼ぶこともある。溶媒は通すが溶質は通さない性質をもった隔膜を半透膜という。動物のボウコウ膜,コロジオン膜,セロファンなども多少この性質をもっている。フェロシアン化銅の膜はこの性質が強く,したがって浸透圧測定に用いられる。化学工業では隔膜のこの性質を応用して,たとえば食塩水を電解して水酸化ナトリウム塩素を製造するのに用いられる。これを隔膜法という。 (→浸透圧 )

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世界大百科事典(旧版)内の隔膜の言及

【イソギンチャク(磯巾着)】より

…口から円筒状の食道に続き,その奥は広い大きな室の胃腔になっている。この胃腔には外側から内に向かってのびている薄い膜でできている隔膜が放射状にでている。隔膜は成長に伴って数を増すが,ほぼ6の倍数で増える。…

※「隔膜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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