日本歴史地名大系 「雄別炭礦尺別鉄道」の解説
雄別炭礦尺別鉄道
ゆうべつたんこうしやくべつてつどう
音別町域を走っていた雄別炭礦の私設鉄道。大正七年(一九一八)、尺別炭礦の採掘権を得た北日本鉱業株式会社は、同八年石炭輸送のため尺別川流域沿いの山元(尺別炭礦)―尺別間一一・七キロに軌道幅七六二ミリの軽便専用鉄道を敷設、蒸気機関車による石炭貨車輸送を開始した(音別町史・鉱業誌)。全線単線で、途中に待避所(六六〇メートル)が設けられていた。同九年四月貨物取扱の尺別信号所が釧路本線(大正一〇年根室本線となる)に開設されて同線に接続した。これにより尺別炭礦の山元から石炭を同線経由で各方面へ輸送することが可能となり、年間およそ三万トンを輸送した。同一四年二月、旅客等の扱いも鉄道省により認可され、尺別信号所で一般貨物も取扱われるようになった(「釧路鉄道管理局史」など)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報