雌性発生(読み)しせいはっせい(その他表記)gynogenesis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雌性発生」の意味・わかりやすい解説

雌性発生
しせいはっせい
gynogenesis

受精の際に行なわれる雄性前核と雌性前核との融合が行なわれずに,雌性由来の核を持つ個体発生をいう。このような発生による個体は,原腸 (発生初期に細胞が陥入して形成される腔壁) の形成を妨げるなどの障害を起こす。しかし,自然界には3倍体 (基本数の3倍の染色体を有する倍数体) のギンブナのように正常なプロセスとして雌性発生を行なう例もある。雌性発生は精子に対する放射線X線紫外線などによる処理により人為的に起こすことが可能である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android