離魂(読み)りこん

精選版 日本国語大辞典 「離魂」の意味・読み・例文・類語

り‐こん【離魂】

  1. 〘 名詞 〙 魂が肉体から分離すること。また、肉体から離れた魂。
    1. [初出の実例]「知是馬嵬泉下魄、離魂倩女謫扶桑」(出典:狂雲集(15C後)善悪未甞混、世為善者皆朋舜、而悪者皆党桀也〈略〉因作偈以示衆云)
    2. 「唐土にも学文に入、精気尽て己が魂ゐ煩ひ青赤の鬼の形あらはれ、〈略〉是離魂(リコン)といふ病の類ならん」(出典浮世草子・新可笑記(1688)四)
    3. [その他の文献]〔張謂‐送裴侍御帰上都詩〕

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普及版 字通 「離魂」の読み・字形・画数・意味

【離魂】りこん

遊離魂。唐・韓〔曲江夜思〕詩 大抵世幽獨の景 最も詩思と離魂とに關す

字通「離」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の離魂の言及

【ドッペルゲンガー】より

…ある人と瓜二つの人のこと。ドイツ語圏の〈ドッペルゲンガー(二重身)〉のほか,英米圏では〈ダブルdouble〉,中国では〈離魂〉または〈離魂病〉,日本では〈分身〉〈影法師〉〈影の病〉〈影の煩い〉などの名で,神話,伝説,迷信などに古くから登場し,霊魂が肉体から分離して有形化したものとか,二重身の出現はその人物の死の前兆などと信じられた。たとえば,中国には次のような話がある。…

※「離魂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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