雨乞岩(読み)あまごいいわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「雨乞岩」の意味・わかりやすい解説

雨乞岩
あまごいいわ

自然説明伝説の一つ。干魃(かんばつ)時に祈ると雨が降るという伝説の岩。石に神霊がこもる信仰に由来するもので、古くは『肥前風土記(ふどき)』「神埼郡(かむざきのこほり)」に「此(こ)の二つの石に就(つ)きて雩(あまごひ)し、并(また)祈れば必ず雨落(ふ)る」とあり、『出雲(いずも)風土記楯縫(たてぬひ)郡の神名樋(かむなび)山の頂にある石神にも「旱(ひでり)に当(あ)ひて雨を乞(こ)ふ時は必ず零(あめふ)らしめたまふ」とある。今日においてもこの伝承は数多く、石川県鳳珠(ほうす)郡能登(のと)町柳田(やなぎだ)の蟹(かに)甲石は、大師信仰による伝説と化して、弘法(こうぼう)の呪力(じゅりょく)で石となった蟹が雨を降らすという。愛知県宝飯(ほい)郡の拾石神社の大石は、大巌(おおいわ)雨大師として祀(まつ)る。ほかに鳥取県岩美町の石籠(いしごもり)権現、岩手県東磐井(いわい)郡円融寺の風雨随時石、東京都奥多摩町の「弁天岩石」など、雨乞岩の類例を列挙すれば限りないほどである。

[渡邊昭五]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

春になって暖かくなりかけた頃、急に寒さが戻って、地面などがまた凍りつく。《 季語・春 》[初出の実例]「七瀬御秡 同晦日也。〈略〉雪汁いてかへる」(出典:俳諧・誹諧初学抄(1641)初春)...

凍返るの用語解説を読む